【花粉症対策】免疫と密接につながっている「腸」

腸には免疫細胞の60ないし70%が集中している


バランスが崩れた免疫システムを改善するためには、
生活環境や食生活を見直すことが大切ですが、
こうした環境調整は一朝一夕にはできません。

また、たとえできたとしても
アレルギー症状はすぐによくなるものではなく、
加齢による衰えにはあらがいようがありません。

しかし、免疫システムのバランスを劇的に改善するいい方法があります。
それは「腸内環境」を整えることです。

近年、免疫システムには「腸」が大きく関わっていることが分かってきました。

腸は「食べものの消化吸収」や「便の排泄」を行うための器官です。

口に入れた食べものは、
食道を通って胃に運ばれ、
胃酸によってドロドロに消化されたあと、
小腸に運ばれて栄養分を吸収されていきます。

この小腸の長さは成人では5ないし7メートルもあり、
広げると面積はテニスコート1面分くらいにもなり、
24時間休みなく動き続けています。

さらに小腸は十二指腸、空腸、回腸に分かれています。

十二指腸では肝臓と膵臓の消化液が流れ込み、
胃で消化しきれなかった食べものの消化を助けます。

小腸の腸粘膜の表面からも消化酵素が分泌され、
食べものはアミノ酸やブドウ糖、脂肪酸などに分解されていきます。

小腸の腸粘膜には多数のヒダがあり、
ヒダの表面には長さ1ミリ弱の小さな「絨毛」という突起がびっしりとついています。

消化酵素によってドロドロになった食べものは
腸の収縮・弛緩によって移動しながら、
純毛から栄養分を吸収されていきます。

小腸で吸収された栄養は
その大半が肝臓に運ばれ、
肝臓から心臓を経由して、
血流に乗って全身へと運ばれます。

一方、栄養分が消化吸収された残りカスは大腸に運ばれ、
腸内細菌による発酵・分解が進み、
最終的に便になって排出されます。

このように、腸は栄養分を消化吸収する働きをします。

しかし、運ばれてくる食べものにはさまざまなウィルスや細菌が付着しているので、
腸のなかは、数多くのウィルスや菌にさらされています。

つまり、腸はこうした有害物質を体内に吸収してしまいやすい場所ともいえるのです。

そのため、腸には身体にある免疫細胞の60~70%が集まっています。

有害な物質が腸から体内に吸収されてしまわないように、
腸内では免疫細胞が、
24時間365日休みなく、
有害な細菌やウィルスをブロックして守ってくれているのです。

腸内の、特に免疫細胞が多く集まっている場所を
「パイエル板」(免疫細胞をつかさどる器官)といいます。

パイエル板は小腸の内側にあり、
繊毛が少なく平らになっている部分です。

腸に病原体が入ってくると、
パイエル板の表面にある粘液でおおわれた細胞が反応し、
病原体をパイエル板のなかに取り込んで、
免疫細胞に引き渡してやっつけてくれます。

さらにパイエル板は、病原体をブロックする抗体を多くつくり出す場所でもあります。

このパイエル板は腸内に多数存在しており、
まさに腸は免疫システムの集合体なのです。

アレルギーは免疫システムの乱れです。
近年の研究で、乳酸菌がこの免疫システムを調節してくれることが分かりました。

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